ルーシー・リー展(国立新美術館 )に行ってきました。
音声ガイドを耳に作品を見たのですが、
時代背景や色々なエピソードを知ることが出来てとても良かったです。
イギリスで活躍したルーシー・リーは
ウィーン(オーストリア)生まれのユダヤ人。
お父様は開業医で、あの精神分析学の権威フロイトとも
親交のあった方だそうです。
彼女はナチスの侵攻により実業家の夫と共にイギリスに亡命しましたが
結婚生活は数年で破綻してしまい、その後はひとり作品作りに没頭したそうです。
作品は初期から円熟期までいろいろなものがあり素晴らしかったです。
初期の作品
晩年の作品
特に、晩年の作品はピンクやブルーなど釉薬(ゆうやく)の発色の仕方が素晴らしく、
今まで持っていた自分の陶芸のイメージを覆されました。
手書きの釉薬の調合ノートはさながら、化学実験のノートのよう。
友人への直筆やタイプライターの手紙が幾つもあり、
筆跡に彼女の息吹を感じました。
印象的だったのは、ウェッジウッド社ジャスパーウェアの
カップ&ソーサーのプロトタイプです。
残念ながらウエッジウッド社の方針で商品製作には至らなかったそうですが、
もし、実現していたら、一般の人々も今頃家で
ルーシー・リーデザインのカップでお茶が飲めたかもしれないですよね!
偉大な陶芸家というと何となく薪やガスの窯でやく
イメージがあったのですが、彼女は釉薬が安定しやすい
電気窯を好んだそうです。
私も一時期、電気窯の陶芸教室に通っていたことがあるのですが、
それは邪道なのかと思っていたので(笑)驚きました。
また時間が出来たら、陶芸習ってみたくなりました。
あの土をこねるときの無心になれる感じ、削る時間が大好きです。
また、興味深かったのがボタンのコレクション。
ガラスや陶製のボタンのデザイン製作もしていたんですね。
三宅一生がコレクション(ファッションショー)で
ルーシー・リー のボタンをあしらえた服を発表したこともあるそうです。
彼女は晩年、「もう私、たくさん作ったわよね」
という言葉を残しているそうですが、
20代から93歳で亡くなる最期まで陶芸家で
ありつづけた彼女の重みのあるひと言だと思いました。
会場には、数多くの素晴らしい作品がありましたし、
彼女の制作風景が見られる映像資料もありましたので
(彼女が80歳を超えて尚、製作している風景で素敵でした!)
興味のある方、ぜひ足を運ばれて見て下さいね。
ルーシー・リーの作品はどれも素晴らしかったですね!
返信削除私は初期の青い花器と、最晩年の溶岩釉の大鉢、ピンクの花器、あと何と言ってもウェッジウッドのプロトタイプ、あれ素晴らしかったなぁ。。
また凄い偶然にも驚きです。お時間無くて申し訳なかったです。また機会があるときに感想聞かせて下さい。
わ、コメントありがとうございます〜!
返信削除本当に、どれも素晴らしかったですね。
好きなもの、家でもみたくて図版買ってしまいました。
ウェッジウッドは感動ものでしたよね!
手の届く価格で日常にも素敵なデザインが増えたらいいと思っているので
W社の決定は悔やまれます〜。
会場で呼び止められたときは、本当にびっくり!でした。
またお話させて下さいね。